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トラウマやコンプレックスは誰でも持っているものであるが、不思議なことに、幸せになればなるほどそれらが浮き彫りになるのである。
第三者から見ると、とても幸せな日常を過ごしているのに、悩みを抱えている人がいる。
夫婦仲もよく、子供たちも問題なく育ち成長し、本人も含めて家族全員健康だし、お金にも不自由していない。
日常生活ではまったく問題がないというのだ。ところが自分の中に悩みがあるのだと。
ヒーラーさんのサロンへ通っていたり、スピリチュアルな世界へどっぷりとつかっている人もいる。
コンプレックスを消す努力はつらい
コンプレックスを抱えていると、そこから逃れようと努力する。
努力して何かを達成すればコンプレックスがなくなると思って頑張る。
しかし、努力して次々と目標を達成したとしても、コンプレックスはなくならないのである。
むしろ、ますます浮き彫りになり、その存在に押しつぶされそうになるのだ。
コンプレックスをかかえていた大女優
マリリン・モンローといえば、知らない人はいないくらい有名な大女優である。
努力を重ねた結果、世界的大女優になり、セックスシンボルと呼ばれ、女優になる前も含めて3度の結婚をしたが、コンプレックスに苦しんでいたといわれている。
美貌に加えて抜群のスタイルの持ち主だったが、ヒップや鼻にコンプレックスを持っていた。
また、学歴がなく役どころも頭が弱い女性ばかりだったため、それも大きなコンプレックスだった。
マリリンの生い立ち
マリリンの幼少時代は辛いものであった。
両親は2才のときに離婚した。
父親は出生証明書に記載のある男性でなはなく、近所に住む男性だったとの噂もある。
母と一緒に暮らしていたが、母親は精神的病になり、マリリンは母親の友人、孤児院や親戚の家を転々として育った。
それらの家庭で性的虐待やネグレクト(育児放棄)を受けたりしていた。
最初の結婚後、工業で働いていた19歳の時に、軍から派遣されたカメラマンが、マリリンの写真を撮り軍の機関紙に掲載されたことを機に、女優への道を歩み始めた。
プロデューサーなどの映画関係者たちと関係を重ね女優への道を目指したのだ。
大変な努力家
コンプレックスの鼻が綺麗に写るように、メイクやカメラへの顔の向きを研究したり、政治家などとの会食があるときには、頭が悪い女性だと思われないために、話すことを丹念に調べてメモ書きして出席していた。
しかし、マリリンのインタビューの時の返答や本などを読むと、とても知的でユーモアがあり頭の回転が速い女性だったことが伺える。
消えないコンプレックス
大女優として成功し、名声もお金も愛も手に入れたのに、コンプレックスが消えることはなかったようだ。
自分自身のことを
「醜くて愛してくれる人がいない無価値な人間だ。」
と周囲へもらしていたそうである。
有名になるまでは、女優として成功すれば悩みから抜け出せる、と思って頑張っているので、その目標のためにひたすら努力をする。
しかし、コンプレックスは消えることなく、さらなる高いハードルを目指すことになる。
この状態はとても苦しくてつらい。
「こんなに頑張ったのにどうして?」となる。
努力と根性ではコンプレックスは消せない
「努力して●●を達成すれば幸せになれる。」
「結婚さえすれば幸せになれる。」
と思っていると、達成してもマリリンのようにコンプレックスは消えない。
目標を達成して、幸せになればなるほどコンプレックスが浮き彫りになるのは、目標を達成するまでは、その目標を達成することができればコンプレックスが消えると思っていて、消える日を楽しみに頑張っているので期待を持っているが、いざ目標を達成すると、消えない現実を突きつけられてしまうからである。
人によっては、更に目標をたてて頑張る人生を再スタートさせる。
これでは永遠に目標をたてて頑張る努力の人生を生きることになる。
考えただけでもつらい人生だ。
努力しても結局コンプレックスは消えないんだもの。
幼少時代とコンプレックス
マリリンのことを例にあげて書いてみたわけだけど、彼女が幼少期におかれた環境と世界的大女優になって子供の頃からの望みをすべて手に入れたのに、コンプレックスで悩み続けたことを照らし合わせてみると、見えてくることがある。
特にコンプレックスが強かったのは『愛』なのではないかと思う。
30代になってからの写真集では、男性の膝の上に座って笑っている写真、ハグされている写真など、誰かと触れ合っている写真で占められていた。
特に父親の愛に飢えていたので、子供の頃に一度だけ見た父の写真がクラーク・ゲーブルに似ていたことから、その俳優を父親像として憧れを抱いていた。
最後の出演作となった映画『荒馬と女』では共演している。
また、女性は『愛』に餓えていると、男性と関係をもつことで、その寂しさを埋めようとする人もいる。
マリリンが多くの男性と関係を持っていたことは周囲にいた人たちから証言されている。
幼い頃から『愛』に餓えていると、大人になって愛してくれる人が現れたとしても、コンプレックスが消えない限り、その愛に気がつかず悩みつづけることになる。
マリリンの名言
マリリンは愛に飢えていたので愛を求めていた。
マリリンの名言にこのようなものがある。
求めているものは、愛し愛されること。
私はこれまでの人生でずっと
「私は愛されない人間なんだ」
と思ってきたの。
でも私の人生には それよりもっと悪いことがあったと、 はじめて気がついたの。
私自身、心から人を愛そうとしなかったのよ。
二つ目の名言から、幼少時代に心から愛されていなかったことが伺える。
「人を心から愛することができない」のは、幼少時代に心から愛されたことがなかったから。
そして以下の名言もある。
愛とは信頼。
人を愛するときは完全に信じることよ。
人を愛するって勇気がいる。
幼少時代に愛されて育った人には難しいことではないけれど。
愛されて育つということは、その相手(親)を自然と信頼できるということ。
その反面、愛を知らずに育つと、人を信頼することが難しい。
まとめ
幼少時代に受けた感情や傷は、消えることなく、成人になっても心の奥深くに保管されている。
それらはコンプレックスになったりトラウマになったりして、人はそれを埋めるかのように努力をする。
けれど、それらは努力して頑張っても消えるものではない。
反対に、幸せな環境になるほど心にしまっていた哀しみが湧き出てくるのだ。
もし、条件付きで幸せを求めていたとしたら、
例えば、
「結婚したら幸せになれる」など、、、
どうしてそう思うのか自問自答してみる。
出て来た答えを先に解決すると、結婚したら、の条件がなくても幸せになれるし、その延長で幸せな結婚生活を過ごすことにもなる。