今年の夏はどこにも出かける予定がないので、
昨年の夏に感動したことを書いておくことにする。
去年の8月、久しぶりに仕事と作業と日常生活から離れて講演会を聴講しに出掛けた。
その頃の私の生活には『遊び』というイベントはすっかり顔をひそめてしまっていたので貴重な時間を過ごすことになった。
遊びと言っても講演会だったので、人によってはお勉強だと思われるかもしれない。
だけど、私にとってはとても楽しくて有意義な時間を過ごせたので遊びの枠。
何の講演会だったのかと言うと、日本が誇る物理学者の村山斉さんの講演会だった。
司会進行は、渡部潤一さん。
知人の話によると、宇宙系で世間一般にも知られていて有名な日本人はこの二人だとか。
なんと豪華な講演会だこと。
座席は最前列だった。
「えっ、あくびできない」
「寝ることもできないよ~」
「さすがに寝ちゃうことはないかも~」
とちょっと心配に。。。
と言うのも、昨年の今頃は、毎日熱中症と格闘しながら、しばしダウンというリズムが出来てしまっていたので、体調を気にすることなく出かけることが出来て、お話しを聞けるかちょっと心配していたけど、そんな必要はなかった。
さすが、村上さんでした。
私は元々宇宙や星などが好きで、一般人が参加できる観測会やセミナーなどにも出かけることもあったけど、天文学者などについては名前すら知る人はいなかった。
そんなとき、とあるセミナーのスタッフをしていた時、次々と講演者のスピーチがつづくなか、村山さんのお話が始まってから私の頭の中で
「この人、何者なんだろう!?」とよぎった。
その瞬間、隣にいた方から耳打ちをされた。
「彼はすごく優秀な方なんですよ。」
その時の講演はすべて英語だったので、英語に輪をかけて村上さんの早口の内容は私にはちんぷんかんぷんだったんだけど、それでもただ者ではないオーラを感じたのだから、やっぱりすごい方なのだと思った。
そのようなこともあったので、一度で良いから生で村上さんの講演を聴いてみたかったのだ。だからちょうど良い機会でラッキーだった。
村上さんは大人気で、休憩時間にもサインをもらうため行列ができていて、講演後はざっと見ただけでも50人くらいは並んでいるようだった。
私は頂かなったけど。
その時に感動する光景を目に。
私の目の前に6才前後の男の子と母親が歩いていて、その男の子が大きめの本をうれしそうに眺めていた。
そこには村上さんのサインと一言メッセージが書かれていた。
そんな息子さんを見ながら
母親:「良かったね!」
息子:「うん!」
と言いながら、
息子さんはずーと村上さんのサインをうれしそうに眺めたまま歩いていた。
6才前後の子供がこんなに喜んでいるなんて、研究者っていい仕事だな。
と思えて感動した。
人に感動やよろこびを感じてもらえる仕事っていいな、と。
私もそんな仕事をしたいと思った。
その後私は会場を後にする前に、入口に飾られていた七夕に願い事を書いて短冊へ想いを託した。
短冊には、さすが宇宙の講演会を聴きに来るだけあって、スケールが大きい願い事方が多くて、「世界平和」「みんなが幸せでありますように」などが多かった。
けど、私は個人的な一番実現したいお願いを書いた。
この短冊はどこかの神社へ奉納されると書いてあって、記憶が正しければ星尾神社かと。
この神社は岡山県の美星町というところにある神社で、星の名所としても有名なところで、短冊を郵送すると「祈願と処分」をしてくださるみたい。
そう、この日の講演は「七夕の夜は宇宙を見上げて」というタイトルで、村上さんのお話は「たなばたから暗黒物質まで」だった。
司会の渡部さんが
「七夕から暗黒物質にどうつなげるのかと思っていたけど、さすが村上さんですね~。」と仰っていた。
私のお隣に座っていた女性は、8割から9割くらいの内容をメモされていて、私もメモしたい気持ちもあったけど一文字をメモすることなく聴くことに専念した。
そんな中で初めて知ることがあった。
織姫と彦星は中年くらいの年齢で、織姫が40代、彦星が30代くらいで彦星の方がちょっとだけ若いとのこと。
このお話を聞いて、私は一人「なるほど」と納得したのだった。
二部の質問コーナーも笑いありで楽しくって、帰宅して鏡を見たらいつもの私じゃないくらいキレイだった。
色つやも良くて、まるで細胞が蘇ったかのように美しかった。
どの空間に居て、誰とどのような時間をシェアするかって本当に大切なこと。
これは実際にコミュニケーションをするしないに関係なく、講演を聴くだけでも影響力は絶大。
帰宅後の鏡に映った私はいつもとちがうほど美しくなって、しかも若返っていたので、このことからも村上さんのお人柄やこの講演会を聴きに行って本当に良かった!
と感動した。
ストレスがいっぱいな環境にいると、顔にもそれが出てきてしまう。
それがほぼ毎日だと、普段の顔がそうなってしまう。。。
そんなの望まない。
やっぱり、身を置く環境は大切なのだと強烈に痛感した夜でもあった。
自分にとって心地良い環境とは、美しくなる見えないエネルギーが溢れているのだ。
そんなことを痛感した夏のひとときだった。