出典:pixbay
先日、テレビ東京の番組
『今、地方を知れば日本がわかる!池上彰のご当地ウラ事情』で、
スパルタ幼稚園について取り上げていました。
希望者が殺到するくらい
大人気で 倍率も高いそうです。
番組を見ながら、
スパルタ教育を受けて育った
同僚のことを思い出しました。
私に子供がいたら、
通わせたくないですね。
スパルタ教育の行末は
この番組では
2つのスパルタ幼稚園をとりあげていました。
現地取材の突撃レポーターは
オードリーの若林さんでした。
スパルタ幼稚園
1つは、
スポーツに力を入れている幼稚園で、
三点倒立や跳び箱の授業風景を中心に紹介。
三点倒立を全員ができるまで、
何度も繰り返し挑戦させていました。
園長曰く、 三点倒立は誰でも出来るもの、
だからできるまでやらせる。
幼少時代に成功体験を
たくさん 積んでおくことで、
将来、大人になってから役に立つ。
とのこと。
確かに、子供達は
できないことができるように
なることで 楽しそうでだったし、
チャレンジ精神も芽生えるでしょうね。
もう1つはお勉強や音楽に力を入れている幼稚園でした。
4文字熟語を覚えたり、
目隠しをして絶対音感を身に着ける授業風景でした。
スパルタ幼稚園を選んだ親の気持ち
園児たちのご家族へ
なぜスパルタ幼稚園を選んだのか?
のインタビューでは、
ゆとり教育を例にあげて、
「かけっこでも、
手をつないで全員1位
という教育がありましたけど、
社会に出るとそうはいかない。
社会は競争ですから。」
ようなことをお答えになられていました。
確かに、かけっこで、
全員手をつないで全員1位は滑稽です。
お遊戯で、全員が桃太郎や
シンデレラというのも滑稽です。
ゆとり教育
全員が1位というのは、
ゆとり教育時代に出てきた方針ですね。
ゆとり教育とは、
1987年から2004年代くらいまで
実施された学校教育のこと。
ゆとり教育が生まれた背景には、
それまでの詰め込み教育がありました。
『詰め込み教育』は
知識などを覚えさせる教育だったので、
試験のためだけに勉強をする傾向があり、
受験競争で入学自体が目標となり、
偏差値重視で勉強したことが
身につかない学習方法であり、
子供達にもストレスを与えるとのことで、
学校教育方針が見直され、
登場したのが『ゆとり教育』でしたね。
ゆとり教育になってから、
授業コマが減らされて、賛否両論ありました。
今では、ゆとり教育で育った
若者たちのことを「ゆとり世代」と
呼ぶ人もいて、あまり良い意味ではないらしいのです。
呼ばれる人も嬉しくないとか。
ゆとり世代の特徴だと
いわれていることをあげると確かに嬉しくないですね。
- 根性がない
- 仕事ができない
- 注意やお叱りを受けると凹みやすい
- プライベート優先
- 好きなことにしか興味がない
- 簡単に結果を求める
- 指示待ちで自主性がない
- ストレスに弱い
そこで、次に登場して、 現在人気なのがスパルタ教育。
元祖スパルタ教育
詰め込み教育
↓
ゆとり教育
↓
スパルタ教育
で、今ココなわけです。
詰め込み教育とスパルタ教育は
微妙にちがうだけで似ているようですが、
そもそもスパルタ教育とはなに?
スパルタとは、
古代ギリシャの都市に由来する。
スパルタに生まれると、
男の子は軍人として厳しい教育を受け、
女の子は将来強くたくましい男子を
出産するように しつけられていたそうです。
その成果があり、
スパルタ兵は最強だったそうです。
その歴史から、
ビシバシと厳しい教育をすることを
スパルタ教育と呼ぶようになりました。
元々は、 軍人を育てる教育方針だったのです。
だからでしょうか、
現在人気のスパルタ幼稚園を見ていて
軍人みたいだなーと思えてきたのは。
全員できて当たりまえ?
現在のスパルタ教育にも
いい面もあると思います。
ですが、才能って
ひとりひとりちがうものなので、
三点倒立ができない子供がいても不思議だとは思えません。
私は走るのがめちゃくちゃ苦手で、
特に、マラソンや持久走は
苦しみでしか ありませんでした。
そのかわり、体操やダンスは得意でした。
水泳も苦手で、
水に潜ると頭が割れそうになり
それはかなりの激痛でした。
全員出来て当たり前だと
園長は仰っていましたが、 その点は疑問が残りました。
また、絶対音感を身に着ける
授業をしていた幼稚園ですが、
将来音楽家を目指しているの?
音楽家じゃない一般人が
絶対音感を身に着けるとデメリットの方が多いようです。
日常生活には雑音がつきものですが、
絶対音感を持っていると、
その雑音が気になって仕方がない
という人がいます。
先日、これまたTVでの話なのですが、
女優で歌手の夏木マリさんが
鼻歌を唄っていると、
パーカッショニストであり
音楽プロデューサーでもあるご主人から
ダメ出しをされると仰っていました。
音感がずれているため、
聞こえてくるとイライラするそうです。
夏木マリさんは、
「たかが鼻歌だから」 と言うのですが、
夫にとっては耐えきれないとのこと。
注意される方もいやですが、
注意する方は毎日雑音が 気になって仕方がないのでしょうね。
絶対音感を持っていると
ストレスが一つ増えるかもしれません。
スパルタ教育を受けた大人
スパルタ教育を受けて育つと
どのような大人になるのでしょうか。
私の母親世代(70代~80代) は
いい印象がないようです。
うちの母親の友人だった
ご主人が東大出身だったのですが、
仕事もやる気がなく抜け殻だったそうです。
そのご主人は、
お家があまり裕福ではなかったので
大学へ進学したいのなら
国立大じゃないとダメだと言われ
しかも東大を目指せと言われ 猛勉強の末、
めでたく合格し 卒業しました。
東大へ入学することに
エネルギーが消耗され
入学してからは抜け殻になったそうです。
人間頑張りすぎると
燃え尽き症候群になる とは聞きますが、
そのご主人にとっては、
東大合格だけがゴールだったので、
達成後に抜け殻になったのでしょうね。
職場にも似たような人がいます。
小学生時代から、
母親から猛烈なスパルタ教育を受けて
学校と塾通いに明け暮れ、
子供心に苦痛だったと言っていました。
その人は、今、やる気ゼロです。
自分は優秀、
頭もいい、
先見の眼もある
仕事もできる
だけどしないだけ
と言って、毎日生あくびばかりしています。
その人はゆとり教育時代に育ったわけでなく
スパルタ教育を受けてきましたが、 指示待ちです。
しかも、自分の核となる仕事しかしません。
上司から自分の核となる以外の
仕事依頼がくると
自分より下の者に仕事をさせようとします。
「自分はこのような仕事をするために
ここへ就職したわけではない」
と直接言われたこともありました。
ああ、この人は、
どんなに暇で毎日生あくびしていても
できるだけ仕事をしたくない人なのだなー と納得したのでした。
40歳でこれってどーなのー?
他人のことだから、
どーでもいいけど、
このようなモチベーションの人が
近くにいるだけでも気持ちのいいものではありませんでした。
この同僚の例からも、
指示待ちや自主性のなさは
ゆとり教育だけではないことがわかります。
スパルタでも 燃え尽き症候群になると
同じようになってしまう人もいるのです。
将来にも役立つ教育方法
今のスパルタも、
成功体験を身に着けさせるには
良い教育方法かもしれませんが、
燃え尽き症候群になったり、
通っている園児の父親の 社会に出ると競争だから、
ということが裏目に出ると、
他人と競争してしまう恐れもあります。
1番いいのは、
子供が自らよろこんで学ぶことです。
他人と競争して1位になるのではなくて、
自分が好きで取り組んだことで1位になることが大切です。
他人と比べていると、
燃え尽き症候群になったり、
相手を見下したり、
結果が上手くいかない場合の 落ち込みはかなりのものです。
ですが、自ら好きで取り組んでいると、
他人と比べる発想はありません。
子供に教育を与えたければ、
色々なことに触れさせて
その中から、子供が興味を示すことを
応援すればいいだけのことです。
こんなに簡単なことなのに、
大人は競争ばかり考えてしまうのですよね。
競争するからこそ
いい商品が生まれるなんて
平気で口にしますしね。
大人は、大人になって子供をもつと
子供の気持ちがわからなくなるようです。
最後に
この番組で、 突撃取材をした
オードリーの若林さんですが、
園長に質問をしようとしたのですが、
園長さんは若林さんの話を聞くことなく、
ご自分の意見ばかり述べられていました。
番組では、面白おかしくつっこんでいましたが、
三点倒立が誰でもできると言うのなら、
若林さんだけにやらせるのではなく、
ご自分も披露したら? と思ったのは私だけでしょうか。
番組にゲスト出演されていた中に
くわばたりえさんがいて、
スパルタ幼稚園に賛成できない
ようなことをコメントされていました。
最近では、子を持つお母さんの
ご意見番を求められているようですが、
スパルタ幼稚園に対しての意見にうなずきました。
のびのび育ったわが子と
スパルタで育った子で既にスタートに
開きがある ことを心配されていました。
確かに、小学校入学時に
かなりの開きがあります。
スパルタ教育で育った子供たちが
小学生になって、三点倒立ができない
クラスメイトのことをあたたかい目で
見守ってくれる子に育つことを願っています。
登場した職場の同僚