出典:映画『メッセージ』
夢の叶え方研究家の夢ソムリエです。
夢の中には、幸せに暮らす、
愛する人と末永く暮らす、
のような思いを抱いている人も多いと思います。
また、人生では苦しいことや
辛いこともあります。
そんな時にとても役に立つ映画を
観たので シェアします。
映画『メッセージ』からのメッセージ
その映画『メッセージ』ですが、
日本では今年、2017年5月に
公開だったのですが、
よくあるSF映画かな、
と思って劇場へは観に行きませんでした。
DVDを待っていたので、
やっと観ることができたわけですが、
こんなにも感動した映画に出会えたのは久しぶりです。
最後には涙が、つーと頬をつたわりました。
どうして、興味がなかったのに観てみたい!
と思うようになったのかと言うと、
この映画の中で、過去も未来もないと出てくる。
と聞いたからです。
私は、25年くらい前に、
「過去も未来もない。」
と初めて聞いたことがあって
それからずーと気になっていたのです。
なので、この映画『メッセージ』を観たいと思ったんですよね。
動機は過去も未来もない。
だったんですが、
めちゃくちゃ奥深い映画で感動しました。
意味がわからない、
つまらないという感想もありますが、
私たちの人生にもとっても、
参考になる映画だと思いました。
UFOやエイリアンが出て来るので、
SF映画だと思って観るとちがいますのでご注意を。
人生にはつらいこともあるって
書きましたが、私たちは
それでも生きていますし
これからも生きています。
もしも、将来につらくて悲しい
出来事が自分に降りかかってくる
ことを今の自分が知っていたら、
あなたはどう感じますか?
どうしますか?
それでもその人生を選択しますか?
そして、過去も未来もなくて
時間は流れていないのだとしたら?
未来は変えることが可能なようです。
なにから書けばいいのかわからないくらい、
この映画『メッセージ』には
私たちへのメッセージが
織り込まれています。
原作は『Story of Your Life』で
日本版は『あなたの人生の物語』です。
日本では映画タイトルは
『メッセージ』ですが、
ぴったりだと思いました。
それくらいメッセージ色が
ある映画なのだと感動しました。
ま、私の個人的なとらえ方なので、
「違うよ!」と思う方もいらっしゃると思います。
悪までも、私が感じたことです。
ネタバレも含みますが、
この映画は1回観ただけだと
よくわからないと思うので、
読まれても大丈夫かな、と思います。
ですが、絶対に知りたくない!
という人はここまででお願いします。
映画『メッセージ』のあらすじ
主人公のルイーズの
自宅のシーンから始まります。
ここでは、とても重要な
見逃してはならないシーンがあります。
これについては後で書きます。
世界12個所に殻(UFO)が現れて、
各国での対応がはじまります。
ルイーズは言語学者で、
かつて軍の依頼でペルシャ語の通訳を
した経緯からエイリアンと交渉する
メンバーの一人になりました。
もう一人のメンバーは
物理学者の男性イアンです。
「彼らは何者で、なぜ地球へやってきたのか?」
を知るため、二人は依頼されました。
エイリアンと対面して、
言葉では交流し合うことが難しいと
思ったルイーズは ホワイトボードに
文字を書くことにし、
これがきっかけで エイリアンたちと
やりとりすることが出来るようになります。
ですが、スムーズに
やりとりができるようになるのは最後の方です。
最後に、彼らが地球へやってきた
目的がわかります。
簡単にいうと、このようなあらすじです。
この流れの中に、
- 時間の概念
- 人間のおろかさ
- 生き方のヒント
が織り込まれています。
まさにメッセージなのです。
時間は流れていない
この映画は時系列ではありません。
最初のシーンが『今』です。
この映画は、よくある回想シーンを
取り入れた映画でもありません。
映画の中で、
「時系列ではない。」
というシーンが出てきます。
だから、この映画でも
過去も未来も現在も同時進行なのです。
ルイーズはエイリアンと
対話して行く中で未来を見るようになり、
最初はとまどっていて、
誰にも話すことが出来ませんでした。
そして映画の中では
「瞬間」
という単語も出てきます。
私たちは過去から流れて今があり、
その流れで未来があると思っていますが、
どうやら違うようなのです。
「過去も未来もない」
と初めて聞いた25年前から
気になっていたのですが、
どうも過去も未来もなくて、
流れでなく『点』のようなのです。
時間は流れでなく、
『点』で、無数の点が同時に
『ある』のだとしたら、
未来は変えることが可能です。
この映画で、
ルイーズは女の子を生みますが、
その子は若くして亡くなります。
冒頭で赤ちゃんを悲しい目で
見つめるルイーズのシーンがあって、
私はあらすじを知らずに観たので、
この赤ちゃんは亡くなっているの?
と思ったんです。
ルイーズはエイリアンたちと接触することで、
未来が見えるようになっていったことで、
やがて娘が亡くなることを知っていたのです。
結婚する前から、
自分が産んだ娘が
若くして亡くなることを知っていたのです。
そうです、このエイリアンたちの
世界には時間は流れていません。
エイリアンたちの書く言葉でもわかります。
彼らは表語文字を使っているからです。
未来は変えることができる
ルイーズは自分で未来を選びました。
彼女は女の子を出産し、
その後夫は去っていき、
シングルマザーになりました。
エイリアンと接触する中で
未来が見えるようになり、
夫が去って行った理由を知ります。
その理由は、
娘が亡くなることを知っていたことを夫に話したから。
「なんて酷いことを言うんだ。」
と言って夫は去って行ったので、
ルイーズは、夫に娘が亡くなることを
言わない選択をしたのです。
娘が亡くならないことを
選択することは出来ないけど、
夫に娘が亡くなることを言わない選択は
ルイーズ自身のことなので選択可能です。
なぜそう思ったのかと言うと、
冒頭のシーンです。
最初に、重要なポイントと上述しておきました。
テーブルの上にあるワイングラスが2つです。
そのシーンは『今』なので、
そこに2つのグラスがある。
つまり夫とわかれていないのです。
もしわかれていたら、
ワイングラスは1つのはずです。
これらのことから、
時間は流れていなくて、
未来は選択可能である、
というメッセージなのです。
私たちは、未来を自分で選んでいるし、
選べるのです。
さまたげになっているのは、
過去と現在と未来は流れている。
と勘違いしているから。
繋がっていなくて、
『瞬間』で、未来は自分で選べるのです。
思考や習慣を変えると人生が変わると
言われていることと繋がります。
引き寄せの法則とも繋がります。
ルイーズが防護服を抜いた理由
ルイーズは防護服を抜いで
エイリアンたちと会話を始め、
イアンもつづきました。
殻を破り、素の自分を出すことを
ここで表現したのかもしれません。
私たちはついつい見えない
鎧を身に付けて生きています。
この映画では、
素の自分で生きて人と対話することの
大切さをこのシーンで語っているのではないでしょうか。
おろかな人間たち
12個所に出現したエイリアンたちと
交渉をしていく中で、
「進展なし」と発言するシーンがありました。
ですが、実際は進展していました。
エイリアンの会話を録音して聞かせたら、
彼らも同じように人間の会話を録音して聞かせてきた。
というシーンで、「進展なし」
と人間は判断していました。
ですが、かれらは知的生命体
であることがわかるし、
交渉の第一歩をしたところだったのですが、
人間は進展がないと判断したのです。
エイリアンのその行動は
ビジネスシーンや恋愛テクニック、
人間関係で使われるミラーリングです。
ルイーズがエイリアンと人間の間にある
ガラスの壁に手の平をつけると、
エイリアンも同じようにしてくるシーンもありました。
これもミラーリングです。
「私たちは敵ではありません。」
「仲良くしましょう。」
の意志表示でした。
ルイーズはわかっていたようです。
ルイーズたちの活躍で
エイリアンたちと時間はかかりますが
会話をすることが可能になりました。
一方で、お偉いさんたちは、
人類同士を戦わせようとしている、
などと考える人たちもいました。
エイリアンを危険だと判断した中国では、
戦闘モードに突入します。
危険だと判断した大きな理由は、
ルイーズとエイリアンの会話にありました。
ルイーズの
「なぜ地球に来たのか?」
の問いに、
「武器を提供」
と答えてきたからです。
映画『メッセージ』の武器とは?
武器と聞いてあなたは何を想像しますか?
「12隻は技術を提供する。」
と中国からのエイリアンの情報を得て、
ルイーズはエイリアンに地球へ来た目的をたずね、
その返答が
「武器を提供」でした。
映画の中のお偉いさんたちは、
戦争に使う武器を想像しました。
ですが、武器とは『言語(言葉)』でした。
エイリアンは人間に
エイリアンの言語を提供したのです。
その言語は、ヘプタポッド語と名付けられ、
ユニバーサル言語となります。
ヘプタポッドとは、
ルイーズとイアンがエイリアンと対話する中で、
エイリアンの姿(7本脚)から名づけました。
ルイーズはかつての著書に
『言語は文明の基盤、人々を結び、対立時には最初の武器となる』
と書いています。
この映画では前者の
「人々を結び」の方でした。
最後に登場するルイーズと
中国のシャン上将とのやりとりも言語でした。
余談ですが、
武器を戦争以外に使う意味で語った人に
マイケル・ジャクソンがいました。
マイケルは、『愛を武器にしよう』と言っていました。
エイリアンは善人?悪人?
国々が協力を止めてから、
チーム内の数人のメンバーが
殻(UFO)の内部に爆弾を
設置したことも知らずに、
ルイーズとイアンはいつも通り
エイリアンとの対話をはじめ、
「武器を提供」の意味をたずねます。
自動爆弾のタイムリミットが
迫っていますが、二人は気がつきません。
エイリアンがガラスを
たたいて知らせますが、それでも気がつきません。
爆発直前にエイリアンたちに助けられます。
テレビを警戒するメッセージ?
爆弾を設置したのは、
テレビを見過ぎた兵士たちでした。
現地から、家族へ電話するシーンで、
家族からエイリアンに殺されるのではないか?
と怯えて心配されているところがありました。
殻(UFO)が現れてすぐ、
ルイーズが母親と電話をするシーンでも
その情報を信用しないで、という場面がありました。
メディアがエイリアンに軍事力を見せつけよう。
と一般市民をあおるシーンもありました。
この映画では、メディアなどの
テレビを信用してはいけない、
見ないように、というメッセージもあるようにも思えました。
エイリアンが地球に来た目的
ルイーズとイアンが
エイリアンに助けられた後、
殻(UFO)は地上から少し離れ
800メートル上空にとどまります。
中国は殻(UFO)を落とす準備を始め、
上海上空にいるUFOへ開戦を通告しました。
皆がなすすべがないと思った時、
ルイーズにちょっと先の未来、
UFOから小さな黒い物が出てくる
映像が見え、それに乗ります。
母船へいき、
コステロと名付けたエイリアンと会話をします。
コステロは、
「ルイーズには武器がある。」
「武器を使え。」
「人類を助けるために来た。」
「3000年後に人類の助けが要るため」
「ルイーズには未来が見える。」
と言い、立ち去ります。
ルイーズは意味がわかりませんが、
UFOから降りて、
イアンたちが迎えに来た時、
夫が去った理由を知ります。
それから、
未来がより見えるようになりました。
エイリアンのコステロとルイーズの
対面シーンは印象深いです。
エイリアンの姿もわかります。
またルイーズもすべてを
理解できるようになりました。
大佐に説明しますが、
上層部から撤退の命令がおりていて、
聞き入れてもらえず、一人で行動に出ます。
中国のシャン上将へ
電話をしている未来を見て、
実際に電話をかけます。
中国はUFOへの攻撃をやめ、
その後、世界は一つになりました。
エイリアンの姿
後半でエイリアンの姿がわかります。
上半身は人間みたいで、
下半身は脚が7本あるタコのような姿です。
なぜこのような容姿にしたのでしょうか。
エイリアンというとグレイが有名ですが、
昔はタコのような姿が多かったと思います。
この映画でもタコのようです。
個人的な見解ですが、
得体の知れない宇宙生命体は不気味ですから、
タコになったのではないかと。
米国人にとって、不気味な生き物はタコです。
食べる人もいますが、
多くの欧米人はタコを不気味がって食べません。
美しい宇宙人がいる噂もありますが、
この映画でタコ風にしたのは、敢えてだと思います。
人間は外見にこだわる生き物です。
外見でなく中身で接することの
大切さもメッセージの一つなのかもしれません。
12隻の殻(UFO)
言語を提供するのなら、
1隻の殻(UFO)でいいのでは?
と思いますよね。
映画の中でもそのようなシーンがあります。
ですがあえて1隻ではないのです。
それを証明するかのように、
各国は協力し合うのを止めてしまいます。
エイリアンたちは、
地球人に言語を提供するのみでなく、
地球人が一つになることも提供してくれたのです。
「時間はない。多数がひとつになる。」
のセリフは、今の私たちに
突き付けられたメッセージのように思いました。
感動シーン
私が涙した感動シーンは最後です。
最後のシーンでは、
今、未来などが入れかわり出てきます。
『2001年宇宙の旅』でも
似たようなシーンがありました。
つまり、過去も未来も
今ここにあるということなのです。
ルイーズが赤ちゃんを抱きながら語ります。
この先何が起きるか
分かっていても
でも構わない
どの瞬間も大切にするわ
ルイーズはやがて若くして
亡くなる我が子を抱きながらそう語ったのです。
とても深いです。
次のシーンで、
ルイーズがイアンに訊ねます。
この先の人生が見えたら
選択を変える?
自分の気持ちを
もっと相手に伝えるかも
とイアンは自分の気持ちをルイーズに語ります。
愛がある映画
この映画には、
キスシーンなどがありません。
ハグだけです。
映画のシーンには
最後に男女が恋に落ちて
キスをする場面がありがちですが、
人と人が心から深く愛し合ったとき、
キスよりハグをするのではないでしょうか。
最後のシーンをハグにしたのは
すばらしい選択だと思いました。
途中から、
イアンがルイーズに惹かれてるな、
とわかるシーンがいくつかあって、
好きな人に対する男性の態度が
わかりやすく表現されていました。
また、イアンと踊るルイーズが
とてもチャーミングで、
他のシーンでは見られない恋する女性でした。
ルイーズとエイリアンが会話をするシーンで、
エイリアンがルイーズの話しに
耳を傾けるようなところがありました。
監督は辛さや悲しさ、
愛をとことんまで知っている方なんだろうな、
と思えてなりませんでした。
また、ルイーズがコステロと対話したとき、
アボットは死の過程にいると告げられました。
ルイーズは謝りましたが、
コステロはルイーズたち人類を
責めることはしませんでした。
まとめ
久しぶりに感動的な映画に出会いました。
この映画の日本のタイトルは
『メッセージ』のとおり、
メッセージがたくさんつまった映画だと思いました。
映像も音楽もすべてすばらしい映画です。
この映画をリードするのは
主人公のルイーズなわけですが、
このエイミー・アダムスの演技力が
すごくて、彼女の表情、眼球の動きですら重要です。
難解でつまらない映画だと仰る方もいますが、
1回観ただけだと分からない人が多いと思います。
時間は流れていないので、
過去も未来も今と同じところにある。
未来は変えることができる。
つらいことがあっても生きるのだと、
この瞬間を生きることを教えてくれる映画です。
以前、『今を生きる』という映画がありましたが、
この映画『メッセージ』では
『瞬間を生きる』ことを教えてくれているのです。
映画は娯楽のジャンルの位置づけですが、
映画は人生を生きるための参考書でもあります。
ここまでお読み頂き
ありがとうございました。
とてもすばらしく感動する映画で
メッセージが詰まっています。
もし、ご興味があれば、
ご覧いただけたらと思います。
メッセージ (字幕版)